竹田さんに、電話をかける
奥さんが出て、すぐに繋いでくれた
奥さんも心配してくれていて
『ちゃんとご飯食べてる?』と
言葉をくれた
竹田さんには
友達が二人、出入りする事
俺達はバンドを作り、あずるが歌う事
そしてそれを
彼女も望んでいる事を伝えた
『 ……そうかあ…
演る時は、俺も呼んでくれよ 』
煙を吐く音をさせながら
そう言ってくれる
「 もちろん 」
『 そういやな
館、しっかりセキュリティさせてな
外に防犯カメラもつけた
館は古いが、そこは最先端だぜ
…暫くは、そっちだろうが 』
「 夏休みが終わったら、戻ります
やっぱり、あそこが好きですから 」
『 おう 楽しみに待ってるよ
その日には肉やらケーキやら買ってよ
皆で飯食おうぜ 』
「 ホットプレート大活躍ですね 」
『 庭で、バアベキュウでもいいな
ああ
盗聴器はつけてないから、安心しろよ
おめえらの睦言が聞こえちまったら
照れちまうからよ 』
「 な……!! 」
『 ん?!あれだけ二人っきりで居て
――― オメエまさか… 』
「 まさかもなにも 」
『 ああいうさ、
ヒラヒラしてそうなのに限って
一つ、これと決めたら、
情が濃いもんなんだぜ?
おまえ、自覚が無いらしいが
ちょいとイカしたスーツでも着てみろよ
周りに女が、ワッと集まってくるぜ 』
「 他人の話、聞いてるみたいですよ 」
『 …ったく 笑いやがって
年寄りの話は聞いて置けよ
まあ、そんな話はまた今度な
後ろに、奥様がいるんでよ…
と言うわけで
爺さんは、風呂入って寝ますよ
近々また、梅川行かせるからさ
その時、あいつの腰、診てもらってね 』
「 はい ありがとうございます 」


