カコっと、真後ろで音

ベースを立てる黒い三脚を

あずるが えほえほ 持って来た



「 これもくれた 」と
ニシニシと笑う



「 …買い物うまいね 」

煙草をくわえ、あずるの頭を
ガシガシと撫でる




「 …ありがとう 」

不思議な事に、あずるはそう言い

俺は、「 こっちの台詞 」と笑った




真木は『あの音!』と書かれた
時代劇の効果音などで使われる
『カーッ』という音が出る
Uの先に玉がついた
手持ちの楽器を買って来た




「 それ、何て言うんだっけ 」


「 "あの音" だろ? 」



俺達はゲラゲラと笑い
どこかに、飯を食いに入ろうと話した




真木の携帯に着信

何度か、会話をして切る




「 悪ぃ〜 今日、原宿の方で
イベントやっててさ
手、足りないみたいで……
皆 時間あるなら一緒に来るか? 」



「 原宿初めて! 」


あずるがバンザイする



池上は、早速財布から、小銭を出した