真木から
様子を気遣う、心配の電話が来たので
ついでにベース探しも、
誘ってみる事にした
池上も来ると言う
…二人でデートも良かったが
着歴の量が、気になったのもあった
夕暮れ、新宿ARUTO前で
待ち合わせをする
なるべく人の多い所
昼間のが良いのかもしれないが
あずるは身体が完全では無いし
炎天下、歩かせるのは心配だった
いつもは
20分位遅れてやって来る池上が
今日は、時間前に来て驚く
真木は、妹がいるからなのか
からかい方が馴れていて
あずるともう、打ち解けていて驚く
無口な池上も
なんだかあずるの前では
表情が柔らかくなっていて
あずる自身も、新しい友達が出来て
かなり楽しそうだ
…少し、怖い事を思い付く
この『非通知』が
一人からの物でなかったら?
俺はあまり、物に執着が無い
だけど今、皆に懐いて行く
あずるの姿を見て、一抹の寂しさを覚えた
『執着』が強い人間だったら
どうなるんだろう ――
そんな事を少し、考える


