朝になり
キッチンから、軽い包丁の音
壁にある
オレンジの丸時計を見ると
もう昼近い
だいぶ寝てしまった
ソファーから起き上がると
「 おはよー! 」と、あずるの声
「 おはよう 」
寝汗をかいたので、シャツを脱ぐ
テーブルの上には
味噌汁は豆腐とか、玉子焼きとか
俺が好きなものばかりが並んでいる
… 気にしてるんだな
――――― そうだ
「 あずる 」
「 は、はい! 」
「 ベース探しに行くの
付き合ってくれる? 」
「 うん!!あ…あの 」
「 うん 」
「 わ…私がプレゼントしたい! 」
「 お 」
それならこいつも
あまり気にしないで済むか
「 ――じゃあ お言葉に甘えます 」
そう笑うと
あずるはフライ返しを持ちながら
満面の笑みを、返して来た


