「 魚、うまそう 」
「 美味そうだね 」
ヨレヨレのパックに付いていた
シールを伸ばして見てみると
『築地直送』とあった
カッパは横にしゃがみ込むと
新聞紙を折り紙にして
カブトを作った
そして、俺の頭にかぶせると
また部屋へ戻って行く
…… 昨日のあれは
オレンジのライトなんていう
あからさまなムーディーに作られた錯覚だ
風呂にも入れてるし、ケツだって見てる
確かに、最近は肉も付いて来て
だいぶ身体つきも
女の子らしくなった
健康になれば、かなり可愛い子になる
それは予想してたし、
"父"としての喜びでもある
それが俺の望みだったじゃないか
…それが今、なんだ
カブトを被せて行った時の
カッパの笑った顔を見て
――― 胸が痛くなるとか有り得んだろう
…『ここ』がいけないのか?
横濱ではこんな事は一度も無かった
土地柄あそこには
小さな頃から外国の人達が多いし
いつの時代にもハーフや帰国子女が
普通に、周りにいた
だからカッパを見た時も
多分、他の場所に住んでいる人よりは
その青い目等には、馴れがあったと思う
…どちらかと言えば
キュウリの方が、衝撃的だった位だ
――― カッパは馴染んでたんだ
あの洋館に
だから生の人間って感じが希薄で
あそこに住んでいる
古い人形とか、そういう
…… そしてまた、尻のポケットでワン切り


