少し顔が赤くなって来たので
両手で、肩に捕まらせ、
そのまま湯船から出す
背中をこちらにして、風呂椅子に座らせ
寝間着を脱がせるが
…真っ白で驚く
葛餅みたいだ
ひとしきり湯を掛けて、シャワーを止める
ドアを開くと
一気に涼しい風が吹き込み
冷えないうちに、
カゴからバスタオルを取って
頭から足まで拭いて行って
手を引いてキッチン前迄行き
バスローブを持って来て
後ろからかけ、腕を通し、紐を結び
抱き上げてから
部屋の扉を足で開いて
ソファーにそっと寝かせた
「 シーツ変えるまで、待っててな 」
タンスの一番下から引っ張り出して
ベットの上で広げ降ろし、
真ん中から両手で、シワを延ばす
頭も洗ったから、枕のカバーも変えた
いつの間にか部屋は、暗くなっていて
テレビだけが元気良く
お笑い番組を流しながら
明かりを照らしている
カッパが変に
ソファーで横になったまま
落ち着いているので、動かすのをやめた
――― 唇だけが、動いてる
横に行って、聞き耳を立てた
歯を磨いていた時も
何か言ってた
…… 何か、歌ってるのか?
でも
それは、いくら側に行っても
漏れる息の様なもので
ほとんど音として出ていなくて
判断しかねる
夕立が止んだ


