群青の月 〜『Azurite』take00〜





「 お! 美味そうだね 」


「 梅川さんも、食いますか? 」


「 有り難いね〜 」



そう言って、ふう。とメガネを外す



クッションを渡すと
ありがとうと笑い、ゆっくり座った


手には大きな、スーパーの袋



「 ウナギ買って来たよ 」


「 おお 」



それを冷蔵庫に入れるため
俺はキッチンへ

袋には、スイカのカットも入っていた




戻ると、カッパはベットに座り
梅川さんに、
顔のガーゼを外されている




「 ――梅川さん
テープの所、被れてるみたいで
夜中、少し掻くんですが 」



「 …少し赤くなってるね
じゃあ、もうだいぶいいし
少しだけ外してみようか 」





………


確かに、
最初よりは段違いに良くなったけど

初めて見たなら、まだギョッとするレベル





「 …うちの娘に 」


俺のその言葉で、
梅川さんは大笑いをする


腕を組んで、柱にもたれ
自分でも少し、苦笑いしてしまった






突然カッパが、ゴソゴソと

ベットの下のマットレスの間に
肩の方まで、腕を挿し入れる



―――― 何やってるんだ?