群青の月 〜『Azurite』take00〜





ホットプレートの上で
タマゴを割る

ジワジワと音
少し殻が入ったが、気にしない




ベットの上でティッシュを拡げて
カッパが何かしている


見ていると、レストランにある様な
三角の角が付いた
ナプキンを作っているらしい




「 立たないや 」



「 ティッシュ、柔いだろ? 」



テーブルに立てたナプキンは
ヘニョッと倒れ
カッパも同じ方向に、ヘニョッとなる



「 焼鳥の串とか、真ん中に立てたら
立たないかな 」



「 無いし危ないからやめろって
横にしたまま、スプーン置けばいい 」




奴は劇画漫画の、悪党の様な顔をして
不服そうに何やら語尾を伸ばし

右に一枚、左に一枚、置いた




その時、携帯に着信



―― 非通知 ――


それはすぐに切れた





目をホットプレートに戻すと
カッパがフライ返しで
皿に取ろうとしている目玉焼き

その手ごと掴んで、カッパの皿に移す



ついでにもう一個も、俺の皿に乗せた



カッパが笑う






そしてチャイム

鳴らし方が、梅川さんだ