それから何日経っても
新聞に、あの事件が載る事は無く

事件を表沙汰にしたく無い親が
何か、動いたんだろうと思う



ラーメン屋の親父も、傷は浅かったとの事



一番心配だったお婆さんは
怪我も無く元気で
カッパとカカシを、
かなり心配していたと伝言を貰った



お婆さんに訴えるか聞いた所
"自分は怪我も無いし
カッパちゃんとカカシくんが無事なら
それでいい"と


しかし医者によると
竹田さんが
『あのガキ共にはお灸を据えた』と
言っていたらしい


「 竹田さんの目の黒いうちは
横濱歩けないと思うよ 」と
メガネの奥で静かに笑う




… 想像すると怖いので
何があったかは、聞かないが



そして当のカッパは
医者が心配していた
『気が付いてからのパニック状態』も無く


医者が後に運び入れた白いベットから
黙って外を見ている時が続いた



腕には、透明な点滴 ―――






でも
それはおかしくなったからとか
病的に黙っているわけでは無く
キチンと今の状況を踏まえ
何かをジッと考えている様な感じだ




医者は
「 君が逃げると、皆が迷惑するから
…お婆さんにもね
だからここに居てね 」と言い

それが最大の手枷となった様で
食べて、薬を飲み
また眠るを繰り返した