『女の子』だと判ると
俺と竹田さんは、部屋の外に
ヒョイッと出された
暫くして、医者は出て来て
「 頭に傷は無かったけど
今晩は私も泊まります
吐くようなら、すぐ病院に 」
… 俺は、一番気になった事を聞いた
「 ――― 何も、
されていませんでしたか 」
「 大丈夫だよ 安心して 」
ホッとした
―… 何か、してたら…
「 殺しそうな勢いだな 」
竹田さんが言った
「 …え 」
「 …赤い火より青い火の方が熱い
青山君も、本当ならこちら側かな 」
「 …………
もう、入っていいですか 」
医者は頷き、俺はドアを開く
ソファーの獣は
青白い顔に、でかいガーゼをして
両手には包帯が巻かれ、
静かに眠っている
俺はその横にひざまづいて
そっと、頭を撫でた
そして
「 ……ぶって ごめんな 」と
一言だけ、言った


