群青の月 〜『Azurite』take00〜







「 …突然だったもんな 」




「 ……うん 」




「…俺達は
あのベッドの上で、抱き合って

二人でずっと、心臓の音を聞いてた… 」




「 ………うん 」





「 だから…… 駄目なんだ


おまえに
今 男として触れたら…


全て壊しても
もう二度と、おまえを離さなくなる…


―― おまえが…他の男に笑ったら 」







―― あの時祈った、

たった一つの願いは


あずるの鼓動が
再び鳴り出す事だけだった筈なのに ―――









「 …知って、るよ…?
…リュ、ジだもん 」



「 ―…あの…っ 約束は…
忘れて無いからな…?! 」




「 ……うん…!! 」




―― 声は鳴咽になり

俺は 号泣する あずるの頭を
肩に乗せる

そして

笑って、煙草を吸いながら





くさかったマイクの事とか


コーラに入れたフリスクに
怒る真木の事とか


初めておまえの歌を聞いた時
どれだけ俺が、嬉しかったかとか

キュウリは味噌をつけて食ったとか


そんな話を、ずっとしながら



――― かなり長い間

お互いの涙が止まるのを、待った