群青の月 〜『Azurite』take00〜






あずるも何処で
それをわかっていた

だから

駆け込んで来なかった




俺はそのまましゃがみ込み
煙草に火をつけ、口元にくわえて笑う



あずるは立ったまま
ただ、涙を流した







「 …おいで 」



俺はそう言い
あずるも、目の前にしゃがむ


二人共、向かい合わせになり
頭と頭を、触れ合わせた




コンクリートの床には
どちらの物か解らない涙が

とめどもなく


落ちて行った