あずるも何処で それをわかっていた だから 駆け込んで来なかった 俺はそのまましゃがみ込み 煙草に火をつけ、口元にくわえて笑う あずるは立ったまま ただ、涙を流した 「 …おいで 」 俺はそう言い あずるも、目の前にしゃがむ 二人共、向かい合わせになり 頭と頭を、触れ合わせた コンクリートの床には どちらの物か解らない涙が とめどもなく 落ちて行った