歌うあずるの顔は
いつも凜としていて、綺麗だった



――― あいつはいつでも
自分で立とうとする



それから
歩いて
走ってくるんだ



俺と居た時でも




だからあそこまで

以前よりもっと



そこまでになるまで
誰かに縋って、立ち上がった気はしない



どれだけの努力と
孤独だったんだろう




どこか、空の先で
彼女が飛ぶ事を支えた何かが
あったのか



そんな物や
誰かに




あずるは出会ったのかもしれない