群青の月 〜『Azurite』take00〜





楽屋は混んでいるので
ホールの方に、移動して来た



リハーサルは逆リハ
俺達は本番1番最後なので、
リハが1番最初



黒いキャップとTシャツの
スタッフの一人が
「 慌ただしくてごめんね
早速いいかな? 」と声をかけて来た



「 了解です 」と準備


赤池さんが
「 今日
見た事ないスタッフさん多いね
夏休みだからかな 」


緑くんが
「 映像の専門学校から
勉強しに来た人達、前いたよな 」
と一言



リハなので
通用口を回らず楽器を持って
そのまま、ステージにあがる




灰谷はこの一ヶ月弱

Cheaとして、ライヴに毎週出演し
元々『緊張した事ない』と
言っていただけあって
堂々とフロントを熟した




セッティングが終わり
赤池さんが
『んじゃ行くベ〜』とカウント



『Azurite』の中から
楽器の面白い2〜3曲と
緑くんがギターのリフから作った曲に
灰谷がメロディラインと詩をつけた
"You"を演奏する



灰谷は一ヶ月でギターを覚えた

緑くんに較べると拙いが
覚える早さに皆目を丸くした



普段は進学校の
暗い優等生をしているそうだが
本当かもしれない




演奏を終えて、
ステージから飛び降りる時
小さな女子高生が
泣きそうな顔をしていたのが
気になった



ちびで、あの頃の あずる位




ホールの一番後ろに戻ると
黒いキャップを被ったTシャツ
先程声をくれたスタッフとは違う男性



荷物を見てくれていたのだろうか