群青の月 〜『Azurite』take00〜







俺の首筋に、暫く唇を付けていたが
起き上がり


"痕ついた…"と確かめてから離して

さっきまで寝ていた場所に戻り
何事もなかったかの様に、目をつぶった





俺は起き上がり、煙草に火をつけ
笑いながら、聞いてみた




「 …どこで覚えたんだ? こんな事 」




「 少女マンガ。 」



「 ……… 」






―― 真木が持ってきたやつか


明日、片付けよう。




「 嘘 」


「  え? 」



「 …リュウジの真似 」






少しホッとして、
言い方が不機嫌になる



「 ………見えない所だろ 」






「 …ヤキモキ やいたの 」







「 …俺も今 妬いた 」






―― あずるの白い手を取り

立てた膝の中に入れ
思い切り体を、胸に引き倒す


白い首筋に、少し歯をたててから


次には幾つも
遠慮ナシの、真っ赤な痕をつけて行く





暫くの間

浅く深く、キスを交わした



舌をゆっくり絡ませる度

その動きと一緒に
細い指が、俺の背中で 緩く泳ぐ


とぎれとぎれの 甘い声をあげ
鼓動の早くなって来たあずるを
強く抱きかかえた





「 …眠るよ あずるも 」




そう言いながら、
唇を最後に 体を離すと

少し困った、潤んだ瞳
夢から突然起こされた様な
キョトンとした顔で見詰めて来る



それが可愛くて
体の上に乗せ上げて、頭を撫でた






「 …続きは
家に帰ってから、死ぬ程してやる 」




「 …… 」




擬音だらけの、意味不明な不服を呟き
あずるは、俺に抱き着いて来る


小声で二人笑いながら
その重さを感じて、眠った