群青の月 〜『Azurite』take00〜





「 え?!

… 三枝と、佐伯? 」



「 あずる 中入ってろ 」




佐伯さんが、前に出た


「 え いいじゃない、お話しようよー 」



言うより早く、真木が前に出て
池上が車の中に、あずるを連れて行く



「 え 今日オレら出るって
どこで聞いたの? 」


「 真木くんとこのカナちゃんが
教えてくれたの
三枝さんも来たいって言ってたし 」



「 …オマエら、
そんなに仲良かったっけ? 」



「 名前順で、ね? 」


「 ……うん 」


「 ごめん オレら寝てなくてさあ
これから寝るんだわ 」



「 え?!どこどこ!
キャンピングカーじゃん!!
ちょっと乗せ… 」




二人の肩を押して
茶屋に向かった




二人は長椅子に座り
俺は立ったままコーラを飲む



「 駄目じゃんねえ?!
ファンは大切にしないと! 」



「 …今日は佐伯さんは
三枝さんの付添人? 」



「 え だって

…まあ いいわ 本番ね

とにかくさ 三枝さんと
私に免じて、もう一度話してさ
あ、私ステージの方行ってるね〜 」


それだけまくし立て、
佐伯さんはニコニコと、
音楽堂の門に入った

世話好きと言うかなんて言うか…



さほど話した事も無いが
三枝と飲み会で話した時

隣に居たのは覚えている




「 ――… 青山くん 」



三枝が立ち上がって、俺の顔を見た



「 ごめんね
…何か佐伯さんの勢いに
押されてた… 」



「 仲、いいんだね 」