群青の月 〜『Azurite』take00〜








ザワッと、周囲から声


―― 青いストラトギターを抱えて
『Rusheru』が出て来た
全員男性で、衣装が凄い



機材は用意された物では無く
殆ど持ち込み
…しかもかなり高価な機材だ


準備にだいぶかかって
リハを始めた




―― 辛さだけを絞った声と
整った演奏が終わる

かなりうまい



そしてラップ系やヒップホップ、
UKロック系が演奏し
ポップス系


次に、俺達の番



白いプラスチック板で仕切られた
即席の待機所から、楽器を持って歩く



『頑張ってね〜!!』と周りの声


手を振り、あずるは砂利の上を歩く



元気が無い



しかし歩いて行く毎に
その背骨は、伸びて行った




ステージ脇に立つ

よく、映画でこんな時
ヴォーカルとその彼氏の楽器弾きが
キスを交わして
ステージに立つというのがあるけれど
そんな雰囲気は、一切無く




あいつはもう、ただのヴォーカルで
俺は楽器に、集中した