事務所から戻って来た真木が
慌てて、部屋の外に俺を呼んだ
トランクスとジーンズだけを履き
眠る あずるにシーツをかけて
部屋を出る
「 ―― Rusheruが野音に? 」
「 そうなんだよ…
あのギターヴォーカル
水谷…だっけ
色々問題はあるけど
そこそこ演奏は良いからさ
野音でも人集められるって
呼ばれたらしいんだけど
…ちょうど俺らの後に
なっちまったんだわ 」
「 顔合わせる瞬間が
あるかもしれないって事か 」
「 うん
朝からで、20バンド位出るから
集合時間に何かして来るとかは
無いと思うんだけどね 」
「 …心配かけるね
でも、もう平気だから 」
「 ……おまえがそう言うなら
いいけど…てかよう
そのつもりで池上と気ぃ使って
部屋は出たけど…
オメエら、何時間やってんだよ! 」
笑いながら真木が蹴りを入れて来る
「 あずる、可愛いし 」
「 うわ!
ニッコリ笑って腕組みして
そう言う事、平気でいいますか!
……まあ、おまえからすりゃ…
あれは壮絶にかわいいよな
…オレはもう、怖くてムリだわ
おかしくなりそうで 」


