群青の月 〜『Azurite』take00〜







明け方の空は藍

湧き出た雲は灰色
日が昇る気配は、まだ無い


練習を終えて、皆、眠る


風に、高速道路の音
やはり今日は、雨かもしれない






何となく
部屋の四角を外で眺めながら
屋上の一番端で

青いシートが被さった
木箱の山に、寄り掛かりながら
煙草を吸う



―― ドアから静かに
あずるが出て来た





嬉しくて

一瞬、困った様に笑ってしまって
座ったまま 両手を拡げる

裸足で駆けてきて
「ズザーっ」と口で言いながら
嬉しそうに、飛び込んで来た



俺の足の間に
いつものように座った


――― 顎を上に向けて、指先で取る