群青の月 〜『Azurite』take00〜






少しの間、黙っていた真木が
「 …いきなりディープっすね 」と
ビールを注ぎ返す



「 あずるの周り、そんなんばっか
だから『王子』って呼ばれてた 」


「 ボウズで無く? 」



「 あは
前は、髪が長かったんだよ

王子ってのはさ『幸福の王子』の事
目も、薄くて綺麗な青だし 」



「 "周りの不幸に嘆いて
体の宝石や金を剥いで、
ツバメに配らせる"?でしたっけ 」




「 そう でもあずるは、
あの話キライなんだって


『何でツバメに配らせるんだ!
ツバメが可哀相だろ!
本気だったら銅像だろうが何だろうが
気合いで動いてみせろ!』って 」


真木と池上はゲラゲラ笑う




「 ボウズって童話クラッシャーだよな 」



「 うん 僕こないだ
満月の日に『竹取物語』の話してたら
途中から、月の兵士と戦う帝が
ムーンパワーで
服ビリビリになって変身して
ラオウになって兵士全員倒したよ 」




店中が再び、大爆笑になった