「 …ソイツは、すぐメニューは覚えるし
注文もしっかり取るんだが
女のお客さんに絡んだ酔っ払いに
ニードルキック食らわせてな
責任感じて、
辞めるとかいいやがって…
…久しぶりに来たんだから
ゆっくりしてけ 」
カウンターで
レバニラ定食を食べていた
実直そうなサラリーマンも
「 そうだよ〜 毎日俺らは
あずちゃんと親父さんの
バトル見るの楽しみに来てたんだから 」
「 そうそう 」と
壁に貼られたメニューの下で
四人席に一人で座っている
派手な紫のスーツを着た
金髪の男性の所に、あずるは移動した
「 王子〜
なんか少し太ったか?
いい感じだな 」
「 マサヤさんは? 」
「 俺は相変わらずかな
ホルモン打ってるから
ヒゲ生えて来ただろ 」
ホントだ!!と言いながら
あずるがマサヤとか言う人のヒゲを
触っているらしい
後ろだから見えないが
親父さんがラーメンを持って
俺達のテーブルまでやって来た
「 …マサヤは、戸籍の性別は女性な
やめろって言ったんだが
男になった 」
「 なるほど 」と真木