群青の月 〜『Azurite』take00〜





ふと気が付けば
携帯の非通知着歴は
ピタリと止まっていて

やはり例の
捕まった女子高生関係だったのかと思った



そして夜、
――― 佐伯さんから突然の電話





「 …びっくりした どうしたの?」


『 ごめんねーいきなり
あのね…三枝さんが謝りたいって
出てもらえるかな? 』



「 …構わないよ 」



部屋から出て
屋上の一番端

黒い鉄柵により掛かり
遠くにあるビルの赤い点滅を見つめた



『 ……もしもし 』


「 久しぶり 」



『 まだ、一ヶ月も経って無いよ…』



「 そうだっけ 」



『 あの…私
ああいう事で怒られたのって
初めてで…
意味わかんなくて、すごい腹たって…』



「 いや もう過ぎた事でしょ? 」



『…過ぎた事なんだ…』



「 過ぎてるね 」



『 ……終わりって事?』


「 始まってもいなかったでしょう 」



『 私は始まってたよ!?
ドライブすごく嬉しくて… 』



「 また行こうよ 」



『 ホント?! 』


「 前みたいに皆、一緒に 」



『 ……… 』




『 ごめん青山くん
電話変わった
三枝さん泣いちゃって…

こないだ、新宿にね
映画皆で見に行ったんだけど
青山くんと、女の子が歩いてるの見たよ 』



「 バンドの子だよ 」


『 それだけには見えなかったな〜 』



「 …そこクラブ? 」


『 うん 皆で 』



「 俺より優しい人はたくさんいるから

三枝さんに、そう言って 」



『 …変な電話してごめんね
休み明けにまた 』



「 また 」



携帯を切って、ポケットに入れる