池上は「 僕のは平気っぽい 」
俺も「 平気だね 」
真木が
「 微妙にクセエ! 」と言いながら
あずるのマイクを嗅ぎに行き
―― しばらくすると
フクロウの様な無表情で、俺達を呼んだ
「 …これ 変えて貰った方がいいよ 」
池上が後ずさる
「 ……何で
こんな臭いになるんだろう 」と
俺も咳込む
真木がマイクの下の方を持ち
ドアを勢いよく開けながら
「 すみません!!お兄さん!!
マイクから、オレ達この世で
嗅いだ事のない匂いがします!! 」
と叫んだ
あずるは倒れ込んで大笑いしているし
部屋の向こうからお兄さんの
『 うお!何だコレ!!』と声が聞こえ
皆で腹を抱えて
練習どころでは無くなってしまった


