翌朝は、二日目のカレーを食う


当日に電話
夏休みなのもあって
夜の予約はとれなかった


けれど
昼から夕方は、フリータイムで安いし
スタジオの中なら
あずるの身体にも響かないだろう


明け方近くまで、俺達は曲を作り
真木はそれを五線譜に書いて
一応のメロディーラインを
古いデッキに鼻歌で入れた



「 ボウズ、意見あったらどんどん言えよ
メロディーもおまえらしく
変えていいからな 」


「 うん 」


あずるは
スタジオ内独特の空気を吸う


部屋はA〜Dまであって
Aの部屋が1番広い

夜借りるとかなり高いが
フリータイム料金、割る四なので
Aを取ってみた



壁の二面が鏡張りになっていて
天井にはスポットもついている

置かれているドラムやアンプも
グレードが高い



「 うお?! 」


いきなり部屋が真っ暗になる
皆驚いたが、あずるの声


「 待って 変えるから 」



赤や青のライトが部屋を照らし
段々と白のライトが強くなって
ひとつは池上

空中で交差した光は、俺と真木を照らした



池上は口笛を吹いてドラムを鳴らし
それにあわせて真木がギターで締める


「 いいねえ ステージの上だ 」



そんな光の中で
あずるがマイクを持ち、悪党面



「 どうした?」と聞くと




「 マイクがくさい 」



全員爆笑し、自分達のも嗅ぐ