「 すでに、それは
愛なんじゃないかなあ 」




「 ……よく  わかんないです 」



「 私だって
正しい定義なんて解らないけども
君の、その時を想像した時
この言葉しか、浮かばなかったよ 」



「 ……… 」


「 後、彼女は
物凄い記憶力を持ってるね 」


「 …ああ はい 」



「 予想だけれど
…ずっと、動けないまま
周りの物をずっと見ていた

そしてテレビが、つけっぱなしで
彼女の世界はそれが全てだった

さっきね、治療していた合間に
はりの本を丸暗記していた


たまたま今は、
その『音』に彼女は向かっているけれど
これから先、彼女の意志は
彼女が愛した人に沿って行くと思うんだ

まだ芋虫で、これからサナギになり
幾らでも変わって行く


それが美しい蝶になるのか
毒を撒き散らす蛾になるのか
…一晩で消えていく蜻蛉になるのかは
彼女が、彼女を、愛する人に
かかっているんだと思う



でもこれは、
全ての男性と女性に
同じ事が言えると思うんだけれどね 」



「 ……俺が 潰してしまったら 」


「 それは無いよ 」



「 …梅川さんも言ったじゃないですか
俺は 抑えてるって… 」






―――― 外から、呼ぶ声




「 青山ー! 先生!
スイカ割りすんぞー!! 」



「 …いこうか 青山くん

はーい!!
夜は花火あるから、一緒にやろうねー! 」



「 いいっすねえ!!

…先生、
準備バッチリだし空気読んだチョイスだし
イベンターやりません?
オレ、しばらくしたら抜けるんで 」



「 補充かあ?!
イベントはキライじゃないよー
昔、ボーイスカウトしてたから 」



「 おお!オレも小学生の時
親に入れられましたよ 」


「 ボーイスカウトって
なにするの? 」



「 えっとねえ
先生の時には、キャンプ行ったりしたよ
それで火の着け方とか…… 」