いちごちょこ

「桜子っ」


…今日はﾂｲてないらしい。


せっかくの昼休み，後ろから聞こえた声に私は溜め息をつく。



「溜め息つくと幸せが逃げるよ？」


「誰のせいだと思ってるのよ！！
　……まだそれ飲んでるの？」


私の目に止まったのは三橋綾の手に握られている缶。


私がよく飲むﾌﾞﾗｯｸｺｰﾋｰ。


数週間前までいちごｵﾚを飲んでいた三橋綾。


飲み物を変えさせてしまったのは私。


ただ『いちごｵﾚなんて飲んでる男は嫌い』って言っただけ。