いちごちょこ

家に帰ってすぐ部屋に閉じこもる。


気付いた…やっと気付いた。


私は綾が好きなんだ。

いつからかなんて分からないけど。


鞄から携帯を取り出し電話をかける。



「里沙…?」


私は何かあると必ず里沙に電話をする癖がある。


何かを感じたのか『どうした?』といつになく優しい声。


私はさっき見たことをボソボソと話した。


ちゃんと『綾が好き』だとも。



「バレンタインに告白しなよ。」


「…それは」


「嫌かもしれないけど前に進みな。
 いちごくんは外見だけ見るやつじゃない…でしょ?」


『本当の桜子でいいじゃん。』最後にそう言って里沙は電話を切った。