いちごちょこ

「綾っ辞書貸して!」


「また忘れたのかよっ」


ナンパから助けられて1週間。


少し近付いた私と綾の距離。


友達が少ない私は綾に物を借りるようになった。



「今日はお礼にこれあげる。」


辞書を受け取った私は綾の頭にパックジュースをのせた。


ブラックコーヒーじゃなくていちごオレ。



「見たよ〜
 最近いちごくんと仲いいねぇ。」


さっきの見られてたのね…


今は前みたいに綾が大嫌いってわけじゃない。


『可愛い』って綾から言われるのもむかつかない。



「綾って不思議なんだよね…」