二股男─甘い誘惑切ない葛藤─

「乗って……」


俺が、言った言葉はたったそれだけ……



後は、何を言ったらいいか
分からなかったんだ。



愛ちゃんはただ
窓の外を眺めながら
ボーっとしていた。


俺は、ただ前だけを見て
運転していた。


今……何考えてるんだろう?
愛ちゃん。


きっと、俺もそうに思われているんだろうな。



30分くらい車を走らせると
俺は車を止めた。