二股男─甘い誘惑切ない葛藤─

「そ……そっか
なら、どうする?
夕飯どこかに食いに行く?」


思わずどもってしまう俺。


「何?緊張してるの?」


「んな、バカな……」


びっくりしたな……
さゆり、こんなに色っぽい女だったけか?


「夕飯、ピザでも取ろうよ!!
早くしい君と二人っきりになりたいし!」


「そうだな、そうしよっか!」


「うん!!」


前を向いて運転しているから分からないけれど
今のさゆりはきっと、目尻をめいっぱい下げながら
微笑んでいるだろう。


その笑顔は、好きなんだよな。