8月12日の夜


愛は自分がいた痕跡を一つも残さず
自分の家へと帰っていった。


『私なら大丈夫だから
さゆりと仲良くしてね』


そう、言い残して……



そんな彼女に何も言ってあげれなかった俺は
また一つ罪悪感を抱いてベッドに転がり込んだ。


携帯には
『明日、夕方4時頃そっちに着く電車で帰るから
駅まで迎えよろしくね!
早く会いたいよ~』
と、さゆりからのメール。


『はいよ』

一言だけ返信をして
眠りに着いた。


俺……明日から、さゆりにどんな顔して
会うんだろうか?