二股男─甘い誘惑切ない葛藤─

沈黙が続く部屋の中で
俺の携帯の着信音が響いた。


──さゆり専用のメールの着信音。


そのメロディが流れた瞬間


愛の肩が、びくっと震え
再び頬に涙が零れ落ちる


「……さゆりの事?」


俺を真っ直ぐと見ていた瞳は
床へと伏せられ
5秒くらいの間の後
彼女はゆっくりうなずいた。



「さゆりと何かあった?」


さゆりと友達の愛だもの……


もしかしたら、さゆり自身と何かがあったのかもしれない。


まさか、バレたとか?