あの日からあたしは橋口さんと逢っていない。


ちょうどあたしの試験期間だったから。


逢いたくて仕方がないのに


いざ逢ったらどんな顔をしていいのか解らなくて、どこかホッとしてる自分がいる。


だけど携帯のチェックは欠かさなくて。

もしかしたら連絡があるかもしれない、なんて
期待して。


あたしから連絡すればいい事なのにね。


…怖くて仕方がない。


橋口さんの笑顔の隣には…幸せそうなお姉ちゃんの笑顔。

そんな夢を何度も見た。


いつの間にか、妄想はあたしの中で現実に変わりつつある。



試験も今日で終わり。


いつまでも、このままでいるわけにはいかないって


………解ってる。



意気地無しのあたしは


まだ



立ち止まったまま。