それでも まぁ、
知り合いだとばらされないだけ、マシだと思うことにしよう…
そんなことを考えている私をよそに、
再び普通に生徒の名前を読んで点呼していた春兄ちゃんだったが
ふいに
ぴたりと、その声が止まった…
「 ………。
えーっと、
南…、"優斗"君…?」
( ………しっ、
しまったぁぁぁっっ!!!)
私は心の中で絶叫した。
そうだ。
私はあの時…
春兄ちゃんに相談した
あの時…
優斗の名前も
教えちゃったんだ…。
なにも知らない優斗は、
普通に はい。と、手を上げて返事をする。
「 へぇ、君が…、
"優斗"君かぁ…、よろしく~♪」
1人 納得したように呟いて、意味深そうに笑みを浮かべる
そしてチラリと私を見て
ニヤリと
嫌な笑みを浮かべ、
それからは何食わぬ顔をして点呼を続ける…
( こ、怖い…っ)
絶対 なにか、
ろくでもないことを考えているに決まっている…。
内心ハラハラしながら、私は生物の授業を受けることになったのだった…