「 …神菜はな、




言わば、

フライング・スタート
してたんだよ。



恋もなんもない状態で彼女になってた。







だから、

普通の状態に戻って…



スタートラインに戻って、1から頑張りな?」












春兄ちゃんの言葉は、

なんとも
核心を突いていた…。












…そうか、


そんな風に思えば、

なんてことないのかもしれない…。














「 …うん。


春兄ちゃん、ありがと。」



「 いえいえ。」




と、ここでミハエルも「ワン!」と、まるで私を元気付けるかのように吠えた。


それがなんだか嬉しくて、今日 初めての笑みが零れた…












大丈夫…

優斗にフられたわけじゃないんだから、
これから頑張ればいいんだ…


そう思えることができた…。