風邪なんて


約10年ぶりで…、






そのせいかどうか知らないけど、やたらと長引いたそれのせいで、

私の体重は一気に5キロも落ちた…







一週間ぶりに
学校に顔を出せば


皆 口を揃えて、"超痩せたね"と言う…


以前は、それほど太っていたのかと思うと切なくなった…












…そんなことを思いんがらも


ふいに気が付いたけど

教室に優斗の姿が見当たらない…






「 ねぇ、


 優斗知らない…? 」





近くにいた優斗とよくつるんでいるクラスメイトの北野君に声を掛ければ、




「 あー、たぶん美術室じゃね?」


と、意外な返事



優斗が美術室??




なんていうか…、



似合わない…。









「 あー…、でも、今は行かない方が良いと思うけど… 」




「 どうして…? 」






尋ねれば、北野君の視線が横に逃げた。


困ったような曖昧な笑みを浮かべるものだから、

明らかに何か隠しているなと思いつつも…、


私は、物分かりのいい子のふりをして口を開いた。





「 あぁ。そうだね、
HR始まっちゃうもんね


優斗が教室に来るの待ってるね。」




私がそう言うと、
北野君は、安心したような顔して、そうしなよ と答えた…









…でも まぁ、



隠されると
暴きたくなるのは、


人間の本能である…。





当然のように私は、






教室を出て

美術室に向かった…