恋人ごっこ





そんな風なことを思っていれば、ふいに唇が離れた…。


当然のことながら、今の私では物足りなさを感じてしまう…





「 …終わり?」


ついついそんなことを尋ねてしまい、



「 もっとして欲しかった?」

と、冗談っぽく聞き返され、恥ずかしくなって下を向いた…。




俯く私の頭を優斗が撫でながら


「 …これ以上は、俺の理性持たないからごめんな、」


と、これまた冗談っぽく言われた…。






「…優斗、

我慢してるの?」




優斗の言葉に思わず、そう聞いてしまった…


優斗はいつだって
キスとかそういうのを平然とするものだから、


理性をどうのこうの考えているなんて思いもしなかったのだ…。




「 …そういうことは聞くな。」

優斗が不貞腐れたようにそう言って、さらに言葉を続けた…



「 だいたい神菜はいつも無防備すぎるんだよ、

なにされてても普通なら文句言えないからな。」



「 …っ!?」






言い返す言葉も無かった…


確かに、"恋人ごっこ"の時から私は、

優斗だから と安心しきっていた部分がある…。