恋人ごっこ




…こうして、

そこそこ感動的なお別れをしたのにも関わらず、







優斗は…、



4日後の夕方、

普通に帰って来た…。





「 神菜、ただいま。」



「 ……おっ、おかえり… 」




玄関のチャイムが鳴らされてドアを開ければそこには優斗が居た…。


…幻覚かと思った


幻覚を見てしまうほど私は優斗中毒で、もう末期なのかと思った…



しかし

目の前の優斗は紛うこと無く、南 優斗。

本人だ…





あまりのことに声も出ない私をよそに、優斗は平然と、


「 これ、土産な、」

と、私にいくつものお土産を手渡した…




私に渡した後、

お隣の中村さん家にもお土産を持って行く優斗…



朋華さんの弟であり、私の彼氏である優斗は、今では中村さん家とはすっかり仲良しである。




…いや、その話はいったん置いておくとして…、

私が気にしなければいけないのは…





「 …優斗っ!?

なんで帰って来たのっ!?」


私は思わず叫んだ。

すぐ帰ってくるとは言ってたけれど、これはあまりにも早すぎる




中村さん家から戻ってきた優斗は私の言葉に、



「 え、帰って来ない方が良かった…?」


と、相変わらずの

天然発言。




「 そうじゃなくてっ!!

留学しに行って、なんでこんなすぐ帰って来るの!?」



「 ……えっ?

俺、留学しに行くなんて言った??」









( …………はぃ? )