恋人ごっこ




…春兄ちゃんのことはひとまず気にしないことにして、

私は晶ちゃんに話し掛けた…




「 ねぇ、晶ちゃん、


…優斗がね、絵の勉強するために 遠いところに行っちゃうんだって、」




「 ゆーちゃん、どっか行っちゃうの…?」



「 …うん。」




私が頷くと、
晶ちゃんは首を傾げて私に問いかけた



「 ……おねいちゃん、さみしいの…?」



「 ………うん 」



「 どうして?」


晶ちゃんは、不思議そうな目で私を見つめた。



「 だって…、


離ればなれになるんだよ?

…晶ちゃんは寂しくないの?」




「… あきらは、さみしくないよ?

だって、はなれても いつかまた会えるもん。」



そうでしょ?と言って無邪気に笑ってみせた晶ちゃんは、


私なんかよりも
ずっと大人なように思えた…。