「 泥棒とちゃうわっ!!」
私が叫ぶと、泥棒のおじさんも叫んだ。
そうは言われても、私にはどっからどう見てもそのおじさんは泥棒にしか見えなかった…。
私が慌ててケータイを取り出し通報しようとすると、
おじさんは焦ってそれを止め、私にあるものを見せつけた…
それは、この部屋の鍵。
私の持っているものとまったく同じ鍵だった…
「 わし、優斗の知り合いやねん!!」
「 ……優斗の知り合い?」
「 そう!!
優斗の絵の師匠や!!」
と、誰かと似たような関西弁で迫られた…
私が頷くと、おじさんはにっこり笑って私を見つめた
「 お嬢ちゃん、優斗の彼女やろ??」
「 あっ、はい。
星野 神菜っていいます。」
「 嬢ちゃんの話は、優斗からよう聞いとるで!
わしはな、
有坂 豊春(アリサカ トヨハル)。」
そう名乗るおじさん
有坂 って…、
どっかで聞いたことのある名字である…
しかも、
この関西弁…
この2つから、
ある人物を否応無しに連想してしまう…
と、そう考えていると、おじさんが言葉を続けた。
「 わし、有坂 百合の親父やねん。」
( やっぱりーーっ!!)

