「 …なんで無理なの?」
と、尋ねる私に対し、
優斗は…、
「 俺は神菜が好きだから。」
「 ……っ!?」
…そんなことを平然と言うのだ。
どうして優斗は、
こう恥ずかしいことをさらっと言えるのだろうか…
言われた私の方が、
恥ずかしくて、なにも言い返ことが出来ず、かなりいたたまれない…。
…そうして私は
恥ずかしさから優斗から視線を逸らして、目の前に飾ってある絵を見つめた…
水彩で描かれた
奇麗な夕焼け空…
…さっきまでの恥ずかしさなんてもう忘れてしまった
目が離せなくなるくらい、とても奇麗な絵だった…
「 …これ、優斗が描いたでしょ?」
「 …あぁ。よくわかったな、」
私の言葉に、
隣で優斗が頷いた…
「 わかるよ、
優斗みたいだもん。」
一目見た瞬間から、優斗の絵だと思った…
この穏やかで暖かい色は、
優斗そのもののように思えたのだ…。