…優斗が美術部ということで、
教室の掃除を終えてから、
美術部の展示を見に行ってみることにした…。
優斗はちょっと渋っていたけれど、私が頼み込むと、渋々ながらも案内してくれた…
やっぱり優斗は優しすぎると思う…。
…連れて来られた廊下の壁には、一面が絵で埋め尽くされていて思わず息を飲むほどだった…。
「 …すごい、
これ、全部 優斗が描いたの…?」
「 まさか、
ユリの描いた絵もあるし…、」
…そうか、
ユリも優斗と同じ部活だったんだ…
ユリが美術部というのも、これまた似合わないな と思った。
優斗の話によると、
美術部は、優斗とユリの2人しか部員は居ないらしい…。
だとしたら、
あの日の朝 美術室に2人が一緒だったのも納得できる…
私とタモリ君が生物室に居ることと、なんら変わりはないのだ。
しかも
優斗が部長の美術部は、私が部長のグダグダな生物部とは違い、ちゃんと活動しているのだから尚更だ……
聞いたところによると、
お揃いのジャージも作品制作のための作業用のジャージらしい…
ほんとうに紛らわしいこと極まりない……
「 …私、優斗はユリのことが好きなんだって思ってた…、」
そのせいでどれほど遠回りしてしまっただろう…
私がそう零すと、
優斗の顔が大きく引きつった…
「…なんで?」
「 だって、
ユリって超可愛いし…。」
「 いや、無理だから。」
と、首を振る優斗
ユリに告白された時も、優斗はこんな風に返したのだろうか…?
…もしそうだとしたら、
あまりにもユリが可哀想すぎると思った……