恋人ごっこ






「 ほんとに優斗が作ったのっ!?」


「 ん。結構頑張った。」

と、少し嬉しそうに言う優斗。




「1人で全部!?」


「 そう。だから、当日は店の手伝いしなくていいってことになったわけ。」





…あぁ、だから私だけ、サボってたことを怒られたのか、

と、思わず納得した。





( …あれ?

でも、だとしたら
教室の片付けなんて優斗はしなくても良かったんじゃないの…?)


そう不思議に思って尋ねると、



「 惜しいからな。」

と、優斗が答えた…




前にもそんなことを言われたけれど、いったいなにが惜しいのだろうか…



私が首を傾げると、

優斗は小さくため息を吐いてからこう言った…






「 …俺としては、

神菜と恋人になったからには、一緒に居れる時は一緒に居たいわけ。


だから…、
一緒に居れるのにそうしないのは、惜しいんだよ…。」




…そんな言葉の後に、




「 …こんな恥ずかしいこと言わすな。」


と、不貞腐れたようにそう言った優斗。

その顔は微かに赤いように見える…




…けれど、


今の私は、

たぶんそれ以上に赤くなってるだろう……