恋人ごっこ




…つまり、

この状況からして
タモリ君はやっぱりユミに気があったのだ。




…そして、

彼が今までさんざん私に優斗とのことをけしかけたのは、


全部 このためだったのである……。








「 ユミは、もっと硬派な男が好みなのっ!!ホモになんか興味ないの!!」

と、ユミがタモリ君の腕から解放されようと暴れながらそう言うと、



「 俺、めちゃくちゃ硬派っすよ?

空手黒帯だし。

つーか、ホモでもないし…」


相変わらず笑顔のタモリ君

そして次の瞬間
彼はとんでもないことをさらっと口にしたのだ…





「 …ユミさん、


俺たちもう あんなことや、こんなこともしちゃった仲じゃないっすか、」






あんなことやこんなこと発言に

私と優斗が揃って「えぇぇっ!?」と声を上げると、ユミは焦ったように首を左右に振った




「 なんにもしてないからっ!!」

私たちに向かってそう叫んだ…







…結局、詳しい話は聞けないまま、
ユミはタモリ君に強制的にお持ち帰りされ、教室のなかは再び 私と優斗だけとなった……





…私も、"恋人ごっこ”という秘密を持っていたけれど、



由夏も、ユミも、タモリ君も、信じられないような秘密を抱えていたのだ…




…だとすると、


私の秘密なんて、たいしたことないかったのかも…
と、そんな風に思えてしまった…