恋人ごっこ






…私が唖然となったのはもちろんのこと、

横からそれを覗いた優斗も、顔がおもいっきり引きつっていた…





「 …ユミ、

こういうの好きだったんだね。」


と、私が言うと、




「 好きじゃないよっ!!」

ユミからは、
すぐさま否定の声が上がった。



( 好きじゃないなら、なんで…?)



そう思う私に、ユミが説明をした。






「 これ、由夏が描いたんだって。」


思いも寄らない人物の名前が飛び出した






「 ………は?」



描いた って…、
この漫画をだよね…?





…由夏が!?


あのギャル系の由夏が!?



「 …ウソ?」



「 ほんと。
最近までユミも知らなかったんだけどね~、

あの子ね、漫研部なの


…しかも

卒業したら漫画家としてデビューするらしいよ。」




「 えーーーーっ!?」








( なにそれ

 全然、知らなかった…)









「 そういうわけで買って来たの!


で、それ神菜の分だから貰ってね♪」






と、にっこり笑顔でそのままその漫画を渡された。




私は、あまりに衝撃的すぎる事実に

開いた口が塞がらなかった…