恋人ごっこ






腑に落ちない様子の春兄ちゃんに対し、


今まで黙っていた晶ちゃんが突然、





「 ママをいじめないでっ!!」


と、春兄ちゃんに声を上げたのだ。






「 …えっ、なに!?

この子、どこの子???」





身長の高い春兄ちゃんは今まで気付いていなかったのか、

下にいた小さな晶ちゃんに驚いていた。








「 私の子です。晶っていいます、」



朋華さんはにこっと笑って晶ちゃんを抱きかかえた。







「 …まさか、子持ち?」


と、春兄ちゃんの顔が微かに強張る…。



その光景に私は焦った…




( ただでさえ朋華さんのこと気に入ってないのに、

さらに子持ちだんなて知れたら、春兄ちゃんキレるんじゃ…、)







そう思ったのは、
秋さんも同じなようで、春兄ちゃんから庇うように朋華さんの前に立った。







「 …春兄、

僕は、この子のこも全部理解した上で、朋華と一緒になりたいって思ったんだ…。
 …だからっ、」






そう真剣に語った秋さんの言葉を、


春兄ちゃんのふざけた声が遮った。






「 可愛い…っ 」









春兄ちゃんの胸が、

きゅん と、ときめいた音が聞こえた…気がした。






春兄ちゃんの言葉に、

皆はきょとんとなった…。


さっきまでの険しかった表情は一変して、
晶ちゃんを見つめる春兄ちゃんの表情は、でれっとなっていたのだ…