恋人ごっこ





…こうして

私の話を適当に流した春兄ちゃんは、朋華さんに対しウザい感じに絡み出した…




「 …朋華 さん、だっけ?

歳いくつ?」


再び小姑のように朋華さんを見つめて、いろいろ質問し始めたのだ。



「 21です!」

相変わらず笑顔な朋華さん




その言葉に優斗が、


「 23だろ。」

と、鋭くツッコミを入れる…。






「 優ちゃんのバカっ!!」


朋華さんが優斗を睨む。





…その光景に、


「 優斗とどういう関係?」


春兄ちゃんがそう尋ねた…。







「 姉弟です 」

と、朋華さんが言うと、




春兄ちゃんは怪訝な顔で一言、


「 …ほんとに?」



と、明らかに信じてない様子。

私も最初は信じられなかったから、これは春兄ちゃんの気持ちが少しわかる…






すると、
優斗と朋華さんの2人は、まるで打ち合わせでもしたかのように、声を揃えて、






「「 世の中には、

複雑な事情の家庭もあるんですよ……、」」





と、春兄ちゃんから視線を逸らし、
遠くの方を見つめて切なげに語ったのだった…










( …こう毎回毎回、

“複雑な事情の家庭”で 片付けられると、どんな事情なのか かなり気になるんですけど… )


と、私はこんな状況のなか
そんなことをひっそりと考えるのだった…。