恋人ごっこ








…そんななか、







呼んでもいないのに、


何故か

春兄ちゃんがやって来た…






「 あっき〜〜〜っっ!!」


どこからやって来たのか、春兄ちゃんはそう叫びながら秋さんに抱きついた。







私以外 その場に居た全員が、

突然の春兄ちゃんの奇行に、唖然としていた。











「 ばか兄っ!抱きつくなよ!!」



普段 温厚な秋さんも、
さすがに春兄ちゃんが相手となると、声を荒げる。






…しかし

ばか兄呼ばわりされても、
春兄ちゃんは気にせず(むしろ嬉しそうに)、そのまま秋さんに抱きついたままである。









「 ……先生、

なにやってんの…?」




優斗が、訝しげにそんな春兄ちゃんを見つめる…




…そうか、

優斗は先生としての春兄ちゃんしか知らないんだった……







「 …春先生ね、

秋さんのお兄さんなんだよ。」



私がそう説明すると、





「 えぇ!? 兄弟!?」


「うそっ、秋 お兄ちゃんいたの!?」



優斗と朋華さんからは驚いた声が上がった…








その声を聞いて、
ようやくこちらの存在に気が付いた春兄ちゃんが、




「 …あっきー、

もしかして この人が秋の嫁さん…?」


と、春兄ちゃんが朋華さんをじぃっと見つめた。







春兄ちゃんにの言葉に朋華さんが慌て挨拶をする


「 はじめまして!朋華っていいます。

お義兄さんにお会い出来てうれしいです!!」





そう笑顔で言う朋華さんに対し、



「 あんたのお兄ちゃんになった覚えは無い。」



ぷいっと顔を背ける春兄ちゃんは、


それはそれはまるで小姑のようだった……