恋人ごっこ






…そんな私をよそに、優斗はいたって平然




「 …あ、そういえば、


朋華、ケータイありがとな。」




そんなことを言いながら鞄からピンクのケータイを出して朋華さんに渡していた。






「 うん。優ちゃん、ケータイ見つかった??」


「 神菜が見つけてくれてた。」




「 そうなんだ〜

さっすが、神菜ちゃん♪」






…黙ってそのやり取りを見ていたけど、




いったい何の話?

どうして優斗が朋華さんのケータイうを持ってるのだろう…







不思議がる私に、
優斗が説明してくれた…





「 ケータイ忘れてった日に、朋華に予備のケータイひとつ貸してもらったんだよ、」




「 …えっ、」









( …それじゃあ、


まさか…

昨日の着信は… )


優斗の言葉を聞いた瞬間、私は昨日の朋華さんの着信がなんであったのかが判った…




私にとっては衝撃的であるその真実を、優斗はなんてことないように話した




「 …で、次の日、HRが始まるまで朋華のケータイで俺のケータイ探してた。」



その言葉の後に
「拾ってくれてありがとな 」と言って、私に笑いかける優斗…









( やっぱりそんなオチ…!? )





…だったら本当に

全部 私の勘違いだったのだ……






純粋な笑みを浮かべる優斗


そんな優斗に対し、
私はちょっと申し訳なくて
作り笑いしか出来なかった…。