恋人ごっこ






「 でさ、朋華さんって、本当に優斗のお姉さんなの?」





もう一度 尋ねると、







優斗は、

私から視線を逸らし、
遠くの方を見つめて










「 …神菜、




世の中にはな、

複雑な事情の家庭もあるんだよ…、」




と、とても切なげに語ったのだった…







遠いところを見て静かに語るその仕草は、

朋華さんとまったく同じだった…。







そんな優斗の言葉を聞いて、私はやっと安心した…。
















「 …私ね、

いろいろ誤解しちゃったんだ。



優斗は朋華さんが好きなのかもって…、」








「 はぁっ!?

 
何をどうしたら
俺が朋華を好きになるんだよ…!?」







私の言葉に、優斗が焦ったように首を振る…。










優斗は精一杯否定するけど、

あの時は、本当にそう思ってしまった…。










「 だって…、

ミルキー味だったし…。」





そうポツリと呟くと、
優斗が首を傾げた。